不定詞が苦手な子の親が知っておきたい3つの用法と家庭での教え方
不定詞とは何か。まず親子で押さえたい基本
「うちの子、不定詞になるとつまずくんです」という相談は、中学2年生の保護者から本当によく届きます。難しく感じる原因の多くは、名前の印象にあります。ここでは不定詞の正体をやさしく整理していきます。
不定詞は「to + 動詞の原形」のかたまり
不定詞とは、to のあとに動詞の原形を置いた形のことです。たとえば to play なら「遊ぶこと」「遊ぶために」といった意味をつくります。
ポイントは、to がついたことで動詞がほかの働きを持つようになる点です。動詞のままでは文の中心にしかなれませんが、不定詞になると名詞や副詞のように使えます。まずは「to + 動詞」で1セットと覚えてもらうと、お子さんの頭の中がすっきりします。
中学英語ではいつ登場するのか
多くの教科書では中学2年生で本格的に学びます。たとえばNEW HORIZON English Course 2やSUNSHINE ENGLISH COURSE 2では、2年生の前半から中盤にかけて不定詞の単元が置かれています。
この時期は、過去形や助動詞も同時に出てくるため、頭が混乱しやすい時期でもあります。お子さんがつまずいていたら、1年生の動詞の復習に戻るのも立派な近道です。
なぜ「不定詞」という名前なのか
「不定」とは、主語や時制によって形が変わらないという意味です。三単現のsがついたり、過去形で形が変わったりする動詞と違い、不定詞の動詞はいつも原形のままです。
名前の理由を知っておくと、「なぜ原形なのか」という疑問が消えます。お子さんに「形が変わらないから楽なんだよ」と伝えてあげると、苦手意識がぐっと軽くなります。
3つの用法を整理して理解する
不定詞には、名詞的用法、副詞的用法、形容詞的用法の3つがあります。名前だけ見ると堅苦しいのですが、日本語の意味で区別すれば、そこまで難しくありません。
名詞的用法は「〜すること」
名詞的用法は、「〜すること」と訳せる使い方です。I like to read books.(私は本を読むことが好きです)のように、目的語として使われる場面が中学では中心になります。
like、want、hope、start などの動詞のあとに置かれることが多く、「want to」「like to」はセットで暗記しておくと得点に直結します。まずはここから練習を始めるのがおすすめです。
副詞的用法は「〜するために」
副詞的用法は、目的や理由を表す使い方です。I went to the library to study.(私は勉強するために図書館へ行きました)のように、「〜するために」と訳します。
感情を表す形容詞と組み合わせた I'm glad to see you.(あなたに会えてうれしい)も、この仲間です。「なぜ?」に答える形だと考えると、見分けやすくなります。
形容詞的用法は「〜するための」
形容詞的用法は、名詞のうしろから説明を加える使い方です。I have a lot of homework to do.(私にはやるべき宿題がたくさんあります)のように、「〜するための」「〜すべき」と訳します。
日本語と語順が逆になるため、多くの中学生がここでつまずきます。「名詞の後ろから説明する」というルールを、声に出して何度も確認させてあげてください。
3つの用法の違いを、表にまとめました。
| 用法 | 日本語の意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 名詞的用法 | 〜すること | I want to play soccer. |
| 副詞的用法 | 〜するために、〜して | I got up early to study. |
| 形容詞的用法 | 〜するための、〜すべき | I need something to drink. |
この表をコピーして、お子さんの勉強机の前に貼っておくだけでも効果があります。意味から用法を判断する習慣が身につくと、長文読解でも迷いません。
つまずきやすいポイントと家庭でのサポート
不定詞は理解したつもりでも、テストになると点が取れない単元です。よくあるつまずきを知っておくことで、保護者の声かけも的確になります。
動名詞との混同に注意する
中学3年生までに、不定詞と動名詞の使い分けが大きな壁になります。enjoy、finish、stop のあとは動名詞(〜ing)、want、hope、decide のあとは不定詞と、動詞ごとに決まっています。
丸暗記は大変ですが、「未来向きなら to、いまやっていることなら ing」という大まかなイメージを持たせると覚えやすくなります。例外は後から少しずつ足していけば十分です。
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音読と書き写しで定着させる
文法は、理屈だけでは定着しません。教科書の本文を1日5分音読するだけでも、不定詞のリズムが体にしみこんでいきます。
おすすめの家庭学習を、次の3つにまとめます。
- 教科書の例文を声に出して読む
- 自分の好きなことを不定詞で書いてみる
- 間違えた問題だけを集めたノートを作る
どれも特別な教材はいりません。毎日少しずつ続けられることが一番大切なので、お子さんの負担にならない量から始めてください。
保護者ができる声かけのコツ
英語が苦手な保護者でも、できるサポートはたくさんあります。たとえば「今日は何を勉強したの?」と聞き、お子さんに先生役として説明してもらう方法は、理解度の確認にもなります。
間違いを指摘するよりも、「ここまでは合ってるね」と認めることを優先してください。安心して間違えられる環境が、結果的に英語力を伸ばします。
定期テストと高校入試での出題傾向
不定詞は、定期テストでも入試でも必ず出る頻出単元です。どんな形で問われるかを事前に知っておくと、対策の優先順位がつけやすくなります。
定期テストで問われる典型パターン
定期テストでは、語句の並べ替えと和文英訳がよく出ます。たとえば「私は友達と話すために公園へ行きました」を英語にする問題です。
得点の分かれ目は、3つの用法の訳し分けができるかどうかです。ワークで間違えた問題は、日をあけて必ずやり直しておきましょう。
高校入試での扱われ方
公立高校入試では、長文の中に不定詞が自然に混ざって登場します。たとえば東京都立高校の入試では、会話文や長文読解の中で、不定詞を含む表現の理解が問われています。
私立の人気校でも同様で、慶應義塾女子高校や早稲田大学高等学院といった難関校になると、不定詞を含む複雑な構文も出題されます。基礎が固まっていれば、応用にも自信を持って進めます。
高校の大学入学共通テストにつながる
中学で身につけた不定詞は、高校でも使い続けます。大学入学共通テストの英語では、不定詞を含む文を正確に読めるかどうかが、読解スピードにも直結します。
つまり中学2年生の今、不定詞を丁寧に学ぶことは、数年先の入試にまでつながる投資です。早めに土台を固めることで、高校生になってからの負担が大きく減ります。
塾や教材を上手に活用する方法
家庭学習だけでは限界を感じたとき、外部の力を借りるのも一つの選択です。お子さんの性格や目標に合わせて、無理のない選び方を考えてみましょう。
集団塾と個別指導の違い
集団塾では、日能研や栄光ゼミナールのようにカリキュラムが整っていて、仲間と競い合える環境があります。一方、個別教室のトライや明光義塾のような個別指導は、苦手な単元をピンポイントで教えてもらえる点が強みです。
お子さんが「質問しにくいタイプ」なら個別指導、「周りに刺激を受けるタイプ」なら集団塾が向いています。性格に合うかどうかを、体験授業で確かめてから決めるのが安心です。
映像授業や通信教育を使う
部活が忙しい子には、スタディサプリのような映像授業も人気です。不定詞の単元だけを何度も見返せるので、自分のペースで理解を深められるのが魅力です。
通信教育の進研ゼミ中学講座も、教科書に沿った内容で復習しやすい教材です。ただし、教材は買っただけでは力になりません。続けやすい量かどうかを、最初にしっかり確認してください。
学習の進め方を比べてみる
| 学び方 | 向いている子 | 特徴 |
|---|---|---|
| 集団塾 | 刺激を受けて伸びる子 | 進度が決まっていて競争心が育つ |
| 個別指導 | 質問が苦手な子 | 苦手に合わせて教えてもらえる |
| 映像授業 | 部活で忙しい子 | 好きな時間に何度も見返せる |
どの方法にも向き不向きがあります。大切なのは、お子さん本人が納得して選ぶことです。保護者が一方的に決めるより、一緒に比べて話し合うほうが、その後の継続率が高くなります。

