産近甲龍とは?4大学の特徴と偏差値、合格に向けた準備を教育アドバイザーが解説

「産近甲龍」という言葉を、進路の話題で耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか。関西の私立大学を目指すお子さんがいるご家庭なら、一度は聞いたことがあるはずです。

この記事では、教育アドバイザーとして多くの中高生とご家庭の相談に乗ってきた立場から、産近甲龍の基本と、いまから親子でできる準備をまとめました。

産近甲龍とはどんな大学グループなのか

産近甲龍は、関西にある4つの私立大学をまとめた呼び名です。まずは、どの大学を指すのか、なぜそう呼ばれるのかを整理しておきましょう。

産近甲龍に含まれる4つの大学

産近甲龍は、京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学の頭文字を並べた言葉です。それぞれの所在地と特徴を、表にまとめました。

大学名主なキャンパス特徴
京都産業大学京都市北区1つのキャンパスに学部が集まる
近畿大学大阪府東大阪市学部が多く、志願者数が多い
甲南大学神戸市東灘区少人数教育と面倒見のよさ
龍谷大学京都市伏見区ほか仏教の伝統をもつ総合大学

表のとおり、どの大学も関西圏に拠点があり、それぞれ個性がはっきりしています。名前だけで一括りにせず、1校ずつ見ていくことが大切です。

この呼び方が広まった背景

関西の私立大学には、関関同立と呼ばれる難関グループがあります。関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の4校です。

産近甲龍は、その次に続く中堅上位のグループとして、受験業界を中心に使われるようになりました。語呂がよく、4校を一度に語れる便利さから、塾や学校の進路指導でも定着しています。

ただし、公式に決まったグループではありません。大学同士が連携しているわけでもないので、あくまで受験の場面で生まれた通称だと考えてください。

関関同立との違い

よく比べられるのが関関同立です。入試の難しさでは、一般に関関同立のほうが上とされています。

一方で、産近甲龍にも強みがあります。学部の幅広さや就職支援の手厚さは、関関同立に引けを取りません。たとえば近畿大学は、医学部や農学部まで備えた総合大学として知られています。

「どちらが上か」よりも、「お子さんの学びたいことに合っているか」で選ぶほうが、入学後の満足度は高くなります。

産近甲龍4大学それぞれの特徴

同じグループでも、校風や学べる内容は大きく違います。ここでは4校の個性を、具体的な学部や取り組みとあわせて紹介します。

京都産業大学は面倒見のよさが魅力

京都産業大学は、京都市北区の神山キャンパスに多くの学部が集まっています。学部をまたいだ交流が生まれやすく、キャンパスのまとまりが大きな特徴です。

外国語学部は語学教育に力を入れており、留学を考える生徒に人気があります。また、情報理工学部のようにAIやデータを学べる学部もあり、理系志望の子にも選択肢があります。

就職支援やキャリア教育にも定評があるため、「入学後にしっかり成長したい」という家庭に向いています。

近畿大学は学部数と話題性で圧倒的

近畿大学は、東大阪市の本部キャンパスを中心に、医学部から文芸学部まで幅広い学部をもちます。近年は志願者数が全国でもトップクラスとして、たびたびニュースになっています。

世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した「近大マグロ」は有名です。農学部や水産研究所の取り組みを、中高生が興味をもつきっかけにする家庭も多くあります。

学部が多い分、入試方式も多様です。受験機会を増やしやすい点は、併願戦略を立てるうえで助かります。

甲南大学は少人数教育が強み

甲南大学は、神戸市東灘区の岡本にキャンパスがあり、落ち着いた学びの環境が魅力です。少人数のゼミが充実していて、先生との距離が近いと評判です。

経済学部や法学部、マネジメント創造学部、知能情報学部など、文系から情報系まで選べます。関西の企業とのつながりも強く、地元就職を考える生徒にも向いています。

大人数の授業が苦手なお子さんには、特におすすめしやすい大学です。

【甲南大学受験ガイド】合格に向けた対策法と学部ごとの特徴を完全網羅

龍谷大学は伝統と新しい学びが共存

龍谷大学は、浄土真宗の教えを建学の精神にもつ大学です。京都の深草キャンパスのほか、滋賀県大津市の瀬田キャンパスなど複数の拠点があります。

文系の学部に加えて、農学部や先端理工学部など理系の学びも広がっています。社会学部や国際学部など、社会課題に向き合う学部も人気です。

伝統を大切にしながら、新しい分野にも挑戦している点が、他の3校にない個性になっています。

産近甲龍に合格するための学力の目安

志望校を決めるときは、現在の学力との距離を知ることが欠かせません。ここでは、受験生の目安になる情報を整理します。

偏差値のおおよその目安

偏差値は予備校や学部によって差がありますが、産近甲龍はおおむね偏差値45から55前後の範囲に収まる学部が多いとされています。

人気の学部や医療系の学部では、これより高くなる場合もあります。数字はあくまで目安なので、河合塾や駿台などの最新の入試難易予想ランキング表で確認してください。

模試の判定が出たら、E判定でも落ち込む必要はありません。入試までの伸びしろをどう使うかが勝負です。

入試方式の種類と選び方

産近甲龍の入試は、大きく3つに分けられます。

  • 一般選抜:学力試験で合否を決める方式
  • 共通テスト利用:大学入学共通テストの得点で判定する方式
  • 総合型・学校推薦型選抜:評定や面接、活動実績を重視する方式

どの方式にも向き不向きがあります。部活動や探究活動に力を入れてきた子は推薦型、コツコツ勉強を続けてきた子は一般選抜が合いやすい傾向です。早めに自分の強みを見つけておくと、戦略が立てやすくなります。

共通テスト利用を上手に使う

共通テスト利用は、1回の試験で複数の大学に出願できるのが大きなメリットです。受験会場へ行く負担が少ないため、体力面でも助かります。

ただし、本番の一発勝負になるため、国語・数学・英語を満遍なく固めておく必要があります。高2の冬からは、共通テスト形式の問題に少しずつ触れておくと安心です。

中高生のうちに親子でできる準備

合格は、入試直前の追い込みだけで決まるものではありません。中学・高校の学び方が、そのまま受験の土台になります。

英語を早めに得意科目にする

産近甲龍の入試では、英語の配点が高い学部が多くあります。英語が安定すると、合格がぐっと近づきます。

おすすめは、高1・高2のうちに英単語と英文法を固め、長文読解に慣れることです。毎日10分でも英単語に触れる習慣があれば、1年後には大きな差になります。

数学は、数学ⅠAと数学ⅡBの基礎を押さえておくと、共通テスト利用でも役立ちます。

塾や予備校の選び方

塾選びでは、目的に合っているかをまず確認してください。たとえば次のような違いがあります。

種類例向いている子
集団授業型の予備校河合塾・駿台周りの刺激で伸びる子
映像授業型東進ハイスクール自分のペースで進めたい子
個別指導型地域の個別指導塾苦手科目を重点的に直したい子

表の塾はあくまで一例です。体験授業に参加して、お子さんが「ここなら通えそう」と感じるかどうかを確かめるのが、いちばん確実な選び方です。

保護者ができるサポートとは

保護者の役割は、勉強を教えることではありません。安心して机に向かえる環境づくりが、いちばんの支えです。

たとえば、オープンキャンパスに一緒に足を運ぶのはおすすめです。京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学はどこも開催しており、キャンパスの雰囲気を肌で感じられます。

実際に見ると、お子さんの志望動機がはっきりします。「この大学に通いたい」という気持ちは、受験期の大きな原動力になります。

成績や進路のことで話し合うときは、結果よりも努力の過程に目を向けてみてください。親子の会話が穏やかであるほど、子どもは前向きに挑戦できます。

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