英語熟語の覚え方|中学・高校生が今日から使える7つの暗記術
「英単語は覚えられるのに、熟語になると急に難しくなる」と感じたことはありませんか。英語の熟語は、単語一語ずつでは意味を推測しにくいものが多く、定期テストや入試でも頻繁に問われる重要なポイントです。
この記事では、中学生・高校生のお子さんが今日から実践できる英語熟語の覚え方を、教育アドバイザーの視点からわかりやすくお伝えします。保護者の方が一緒に理解しておくことで、家庭でのサポートにも役立てていただけます。
英語熟語の覚え方が大切な理由
英語の学習を進めていくと、単語の暗記だけでは対応しきれない場面が増えてきます。英語熟語は、英文を正確に読み解くためにも、ライティングやスピーキングで自然な表現を使うためにも欠かせないものです。なぜ熟語の学習がそれほど重要なのか、まずその理由を整理してみましょう。
熟語は単語だけでは補えない表現力がある
英語の熟語とは、複数の単語が組み合わさって、それぞれの単語の意味とは異なる新しい意味を持つ表現のことです。たとえば look up は「見上げる」という意味もありますが、「辞書で調べる」という意味にもなります。単語の意味だけを知っていても、熟語特有の意味は推測が難しいため、別途しっかりと覚える必要があります。
英語が得意な生徒ほど、熟語を豊富に知っていることが多いです。なぜなら、熟語を使いこなすことで文章全体の意味を正確に把握でき、英作文でも自然な文が書けるようになるからです。英語の「使える力」を伸ばすには、熟語の知識は避けて通れないといえます。
定期テストや入試での出題頻度が高い
中学・高校の定期テストでは、教科書に登場した熟語がそのまま問われることが多く、知っているだけで点数に直結します。高校入試や大学入試では、長文読解・文法・英作文すべてに熟語の知識が影響します。
たとえば大学入試共通テストでは、長文の中に take part in(参加する) や as a result(その結果) といった接続や展開を示す熟語が多く登場します。これらを知らないと、文章の流れを正確につかめず、失点につながります。英語の総合点を上げるには、熟語学習は後回しにできないのです。
日常会話や長文読解にも直結する
熟語は学校のテストだけでなく、英語を実際に使う場面でも非常に役立ちます。映画やドラマ、洋楽、英語のニュースサイトなどでは日常的な熟語表現がたくさん使われており、熟語を知っていると英語全体の理解度が大きく上がります。
特に長文読解では、接続熟語(however, on the other hand など)を知っているだけで文章の構造が見えやすくなり、要点をつかむスピードが上がります。熟語の知識は、英語力全体を底上げする土台になります。
英語熟語覚え方の基本ステップ
「熟語を覚えよう」と思っても、やり方が間違っていると時間をかけても身につきません。覚え方には正しい手順があります。基本のステップを押さえることで、学習の効率が格段に上がります。
まず「意味を知る」ことから始める
熟語学習の最初のステップは、熟語の意味を正確に理解することです。特に「look forward to(楽しみに待つ)」のように直訳では意味が通らない熟語は、まず意味をしっかりと把握しましょう。熟語帳や辞書で意味を確認し、「なるほど、こういう意味か」と納得することが出発点です。
この段階で重要なのは、ただ日本語訳を暗記するのではなく、どんな状況で使われる表現なのかをイメージすることです。意味を知るだけで終わらず、次のステップにつなげる意識を持ちましょう。
例文とセットで覚える
熟語を単独で暗記しても、いざ使う場面になると出てこないことがよくあります。だからこそ、例文とセットで覚えることが大切です。たとえば give up(あきらめる) なら、「Don't give up on your dream.(夢をあきらめないで)」のような文と一緒に覚えると、使い方まで自然に身につきます。
市販の熟語帳にはほぼ必ず例文が載っています。意味を確認したら、必ず例文も目を通す習慣をつけましょう。例文を音読すると、発音と意味が同時に定着しやすくなります。
繰り返しが記憶を定着させる
英語熟語の覚え方で最も重要なのは、繰り返し触れることです。一度覚えただけでは、人間の脳はすぐに忘れてしまいます(これをエビングハウスの忘却曲線と言います)。1日・3日・1週間・1ヶ月のタイミングで繰り返し復習することで、記憶は長期記憶へと変わっていきます。
少ない量でも毎日続けるほうが、まとめて一気に覚えようとするよりはるかに効果的です。毎日10〜15個を目安に、コツコツ続けることを習慣にしましょう。
テストで確認する習慣をつける
覚えたつもりでも、実際にアウトプットできるかどうかは別の問題です。日本語を見て英語の熟語が書けるか、英語を見て意味が言えるか、こうした小テスト形式での確認が記憶を強化します。熟語帳の巻末テストや、単語カードを使ったセルフテストを積極的に活用しましょう。
今日から実践できる7つの英語熟語の覚え方
同じ時間を使っても、覚え方によって定着度は大きく変わります。ここでは、中学生・高校生に特に効果的な7つの学習法を紹介します。お子さんの学習スタイルに合ったものを選んでみてください。
語源・イメージで理解する方法
熟語を構成する単語の意味やニュアンスを理解すると、覚えやすさがぐっと上がります。たとえば break down は「壊す・分解する」という意味ですが、"break(壊す)+ down(下へ)" というイメージを持つと記憶に残りやすくなります。前置詞の up(完了・上昇)、out(外へ)、off(切り離す) など、よく使われる前置詞のニュアンスをまとめて理解するのも有効です。
語源を学ぶ参考書としては、『英単語の語源図鑑(清水建二著・かんき出版)』などがあり、視覚的にイメージできる工夫がされています。理解を深めることで、単なる暗記から脱却できます。
単語カード(フラッシュカード)を使った反復学習
フラッシュカード(単語カード)は古典的な方法ですが、今でも効果は絶大です。カードの表に熟語、裏に意味・例文を書いておき、毎日パラパラとめくるだけで記憶が強化されます。スキマ時間(通学中・食事前など)に手軽に取り組めるのが大きなメリットです。
最近ではデジタルフラッシュカードアプリの Anki(アンキ) も人気で、科学的な復習スケジュール(間隔反復法)で効率よく暗記できます。自分でカードを作成する過程も学習になるため、ぜひ活用してみてください。
例文を音読・書き写す方法
例文を声に出して読む「音読」と、ノートに書き写す「書き取り」を組み合わせると、視覚・聴覚・運動感覚の三方向から記憶に働きかけることができます。特に 音読は発音と意味を同時に定着させる効果があり、リスニング力の向上にもつながります。
書き取りの際はただ写すだけでなく、例文の意味を意識しながら書くことが重要です。5〜10回書けば十分で、それよりも回数を増やすよりも意識して書くことを優先しましょう。
アプリを活用したスキマ時間学習
スマートフォンのアプリを活用すれば、電車の中や休憩時間など、短い時間でも熟語学習ができます。現在人気の英語学習アプリには以下のようなものがあります。
| アプリ名 | 特徴 | 対象レベル |
|---|---|---|
| mikan(ミカン) | スピード暗記でサクサク進む。大学入試対応の熟語も収録 | 中学〜高校 |
| Anki | 間隔反復法で科学的に記憶定着。自作カード可能 | 全レベル |
| スタディサプリENGLISH | 例文・音声付きで総合的に学習。動画解説もあり | 高校〜大学受験 |
| 英語の友 | 旺文社の参考書と連動。音声付きで熟語を確認できる | 中学〜高校 |
アプリは「ながら学習」に向いていますが、あくまで補助ツールです。まずは紙の熟語帳でしっかり意味を理解し、復習の手段としてアプリを使うと効果的です。一つのアプリを継続して使い続けることが大切で、次々と乗り換えるのは避けましょう。
グループ分けして覚える方法(テーマ別暗記)
熟語を無作為に覚えようとすると混乱しやすいですが、テーマや動詞ごとにグループ分けして覚えると記憶しやすくなります。たとえば "make" を含む熟語をまとめて覚える、「感情を表す熟語」「時間に関する熟語」などカテゴリを作るなど、グルーピングの方法は様々です。
英熟語帳の中には、このようなグループ分けが最初からされているものもあります。河合塾の『英熟語・語法のトレーニング』や、Z会の『速読英熟語』などは、熟語を体系的に整理して収録しているため、インプットの効率が高まります。
英語で日記・短文を書く方法
覚えた熟語を実際に使う機会を作ることで、記憶はさらに強固になります。毎日3〜5文でよいので、その日に学んだ熟語を使った短い文章を書いてみるのが効果的です。テーマは「今日あったこと」「好きなもの」など、身近なことで構いません。
最初は短い文でも、続けることで熟語を「使う力」が育ちます。書いた文を保護者の方が一緒に確認するなど、家庭での関わりが子どものやる気を引き出すことにもつながります。
授業・塾の復習を活用する方法
学校の授業や塾で扱った熟語は、定着度が高まる絶好のチャンスです。授業中に出てきた熟語を自分のノートにまとめ、その日のうちに復習する習慣をつけましょう。授業と連動した熟語学習は、文脈を持って覚えられるため、忘れにくいという大きなメリットがあります。
個別指導塾や映像授業(スタディサプリなど)では、英語の文法と熟語をセットで解説している場合が多く、理解が深まりやすいです。塾での学習を最大限に活かすためにも、家庭での復習を欠かさないことが大切です。
中学・高校生向けのおすすめ英語熟語帳
市販されている熟語帳は数多くありますが、学年やレベル、目的によって選ぶべき一冊は変わります。ここでは、信頼性が高くよく使われている熟語帳をレベル別に紹介します。
中学生向け:定期テストから高校入試まで
中学生の場合は、学校の教科書に対応した熟語帳か、高校入試を意識した熟語帳が適しています。以下のような教材がよく使われています。
- 『中学英熟語ターゲット300(旺文社)』:高校入試頻出の熟語を300個厳選。例文もわかりやすく、初めての熟語帳に最適。
- 『でる順ターゲット中学英熟語(旺文社)』:実際の入試データをもとに出やすい熟語を並べた実践的な一冊。
- 『中学校3年分の英熟語(学研)』:学年別に整理されており、学校の授業ペースに合わせて進めやすい。
中学生は、まず学校の定期テストで使われる教科書の熟語を完璧にすることを最優先にしてください。その上で市販の熟語帳を補助として使うと、無理なく熟語力が身につきます。熟語帳は1冊を繰り返しやり込む方が、何冊もつまみ食いするよりはるかに効果的です。
高校生向け:大学入試・共通テスト対策
高校生は、受験するレベルに合わせた熟語帳の選択が重要です。共通テスト対策から難関大学対策まで、幅広いラインナップがあります。
| 書名 | 出版社 | 特徴・対象 |
|---|---|---|
| 速読英熟語 | Z会 | 長文読解の中で熟語を覚えられる。共通テスト〜難関大学対応 |
| 英熟語ターゲット1000 | 旺文社 | 頻出1000熟語を収録。大学入試に特化した定番熟語帳 |
| Next Stage(ネクステ) | 桐原書店 | 文法・語法・熟語を1冊に凝縮。私立大・国公立大どちらにも対応 |
| システム英熟語 | 駿台文庫 | 語彙のまとまりで覚える独自の方式。難関大学志望者に人気 |
高校生は志望校のレベルに合わせて熟語帳を選ぶことが大切です。まず共通テストレベルの熟語を完成させ、余裕があれば上位レベルの熟語帳に進みましょう。塾の先生や学校の先生に相談しながら、自分に合った1冊を選ぶことをおすすめします。
熟語帳の正しい使い方
どんな優れた熟語帳でも、使い方を誤ると効果は半減します。以下のポイントを意識してみましょう。
- 1冊を最低3回繰り返す:1回目で大まかに覚え、2回目で弱点を重点的に、3回目で確認テストを行うイメージで進める。
- 1日の学習量を決める:「1日10熟語」などと決め、毎日継続する。
- 例文を必ず確認する:熟語の意味だけでなく、例文で「使われ方」まで覚える。
- 音声CDやアプリを活用する:目で見るだけでなく耳からも覚えることで定着が深まる。
熟語帳は「全ページを完璧に覚えなければ」と思う必要はありません。まず全体を一通り見て、知っている熟語・知らない熟語を区別し、知らないものを優先的に覚えていく方法が効率的です。完璧主義になりすぎず、スモールステップで進めることが継続のコツです。
熟語を忘れにくくする復習スケジュールの組み方
英語熟語を覚えたはずなのにすぐ忘れてしまう、というのはよくある悩みです。これは記憶の仕組み上、自然なことです。科学的な復習スケジュールを取り入れることで、忘れる前に記憶を「塗り重ね」ていくことができます。
エビングハウスの忘却曲線とは
19世紀の心理学者エビングハウスが行った研究によると、人間は何かを覚えてから24時間後には約74%を忘れるとされています。これを「忘却曲線」と呼びます。しかし、適切なタイミングで復習を繰り返すことで、記憶の保持率は大幅に上がっていきます。
大切なのは、忘れてしまってから焦って覚え直すのではなく、忘れる前に繰り返し確認することです。これを「間隔反復法(スペースド・リピティション)」と呼び、多くの記憶研究でその効果が証明されています。
効果的な復習タイミング
熟語を最初に覚えたあと、以下のタイミングで復習を入れると記憶が定着しやすくなります。
- 当日の夜(寝る前):学んだ内容を脳に定着させる黄金タイム。
- 翌日(1日後):記憶が薄れ始める前に再確認。
- 3日後:忘却が進みやすいタイミングで再インプット。
- 1週間後:長期記憶への定着を促す復習。
- 1ヶ月後:完全な定着の確認テスト。
最初は「これだけ何度もやるの?」と感じるかもしれませんが、2回目以降の復習は確認するだけでよいので1回あたりの時間はわずかです。継続することで「知っている熟語」が確実に増え、英語全体への自信につながります。
具体的な週間スケジュール例
下の表は、1日10熟語を覚えていく場合の週間スケジュール例です。無理なく習慣化できる組み方の参考にしてください。
| 曜日 | 学習内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 月曜日 | 新規熟語①(1〜10番)を学ぶ | 15〜20分 |
| 火曜日 | ①の復習+新規熟語②(11〜20番) | 20〜25分 |
| 水曜日 | ①②の復習+新規熟語③(21〜30番) | 25〜30分 |
| 木曜日 | ②③の復習+新規熟語④(31〜40番) | 25〜30分 |
| 金曜日 | ③④の復習+新規熟語⑤(41〜50番) | 25〜30分 |
| 土曜日 | ①〜⑤すべての総復習テスト | 30〜40分 |
| 日曜日 | 苦手な熟語の重点復習・翌週の準備 | 15〜20分 |
このスケジュールはあくまで目安です。部活や習い事などで忙しい日は無理をせず、量を減らして継続を優先しましょう。「毎日5分でも触れる」という意識が大切で、完璧なスケジュールを維持しようとして挫折するのが一番もったいないです。
保護者ができる英語熟語学習のサポート
お子さんの英語熟語学習を支えるために、保護者の方ができることはたくさんあります。勉強を「やらせる」のではなく、環境を整えて「やりやすくする」サポートが、長続きする学習習慣につながります。
学習習慣を支える環境づくり
英語熟語の学習は、毎日少しずつ積み上げることが大切です。そのためには、学習しやすい環境を家庭の中に作ることが重要です。たとえば、毎日同じ時間に勉強する「学習タイム」を設ける、テレビやスマートフォンの通知が気にならない空間を用意するなど、集中できる環境を整えましょう。
熟語カードをリビングに貼っておく、冷蔵庫に「今週の熟語」を張り出すなど、日常生活の中で自然に目に入るようにするのも効果的な工夫です。学習環境への小さな投資が、子どもの学びを大きく後押しします。
一緒に学ぶ姿勢が子どもの意欲を高める
保護者が英語に興味を示し、一緒に取り組む姿勢は、子どもの学習意欲を高める大きな力になります。「この熟語ってどういう意味?」と子どもに教えてもらう機会を作ることで、子ども自身が教える側になり、理解が深まるという効果もあります。
保護者自身が英語を完璧に知らなくても問題ありません。むしろ「一緒に調べてみよう」という姿勢が、子どもにとって「勉強は楽しいもの」というイメージを育てます。家庭の中に英語を楽しむ雰囲気を作ることを意識してみてください。
モチベーション維持のコツ
英語熟語の学習は地道な反復が必要なため、途中でモチベーションが下がることもあります。そんなときに保護者ができる関わりとして、以下のようなことがあります。
- 小さな成果を一緒に喜ぶ:「今週50個覚えた」「テストで満点だった」といった小さな成功体験を肯定的に受け止める。
- 目標を一緒に設定する:「3ヶ月で200熟語」など、具体的で達成しやすい目標を子どもと一緒に決める。
- 無理なく続けられる量に調整する:多すぎる量を課すと挫折しやすい。「続けること」を最優先にした量を維持する。
- 英語を使う楽しさを体験させる:英語の映画を字幕なしで少し見てみる、好きな洋楽の歌詞を一緒に調べるなど、英語を楽しむ体験を取り入れる。
保護者の役割は「管理する」ことではなく「応援する」ことです。お子さんが少しでも前進したら積極的に認めてあげましょう。毎日机に向かう姿勢そのものが、英語力を育てる大きな財産になります。
まとめ:英語熟語は正しい方法で続ければ必ず身につく
英語熟語の覚え方に、特別な才能は必要ありません。大切なのは、正しい方法を選び、毎日少しずつ続けることです。
今回ご紹介した内容を振り返ってみましょう。
- 熟語は単語だけでは補えない表現力があり、入試でも日常でも重要
- 意味を理解→例文で覚える→繰り返す→テストで確認、の基本ステップを守る
- 語源理解、フラッシュカード、音読、アプリなど自分に合った方法を組み合わせる
- 学年・レベルに合った熟語帳を1冊選び、繰り返しやり込む
- 忘却曲線を意識したスケジュールで復習を継続する
- 保護者は環境を整え、子どもの小さな成果を一緒に喜ぶ
一足飛びに覚えようとするよりも、毎日10分・10熟語をコツコツ積み重ねる方が確実に力になります。焦らずお子さんのペースで、家族で英語学習を楽しんでいただければ嬉しいです。

